新高塚小屋▶縄文杉▶ウィルソン株▶白谷雲水峡
偶然友人と合流した。
サラッと書いたが、とんでもない奇跡である。
無限にある日程と行先の中でこの日この場所に行こ〜と、二人の人間が同じことを考えたんだから。
そんな彼と、”明日の出発時間打ち合わせなきゃな〜”などと、ワインを飲みながら考えていたら朝になり、おいて行かれた。
ちゃんと計画立てよ!!!
この脈絡でこの文章を発した回数は、過去24年間で300回は優に超えると思う。反省しろ。
コーヒーを沸かしながら全ての片付けをした所、沸く前に片付けが終わり熱々のコーヒーのせいで遅れる結果になった。
舌の耐久力を上げたい。
朝焼けを望みながら下っていく
縄文杉
「これが縄文杉ですか?」
僕が指さしたその杉は、真っ直ぐ凛と聳え、その杉を避けるように作られていた。
「いいえ違います。」
遊歩道の開けた場所でご飯を食べていた女性の方が呆れた声で返事をする。
それもそのはず、その杉は直径1mあるかないかしか無かったのだ。
”こいつ、縄文時代から数千年の歳月はわずか1mに凝集しているとでも思ったのか、、?”と言いたげな表情である。
縄文杉はその反対側の、道から離れた部分に、ほかの杉と紛れて佇んでいた。
屋久島と言われたら、縄文杉
という第一印象を持っていたのは僕だけではないと思う。それが、ほかの木と見間違えてしまうほどだった。僕は縄文からの年月を感じ取ることが出来なかったようだ。
つまり、以後夫婦杉、三代杉と様々な杉があらわれるが、ほぼ素通りした。
結局のところ僕は、先入観なしにこの目で見て感じたことを大切にしていきたい人間なのだな、と実感した。
ウィルソン杉
「ここインスタで人気のスポットなんですよ!」
なにかに取りつかれたようにカメラに夢中になる。
”人気スポットの映えは正義”
何事もじっくり見たら興味をもてることもあるんだなぁ。などと自分に言い聞かせる。手首がねじ切れんばかりの手のひら返しだ。恥を知って欲しい。
トロッコ道
新高塚小屋から5kmほど歩くと、トロッコ道に出る。ここからが、白谷雲水峡から入る観光地の区間となり、一般客が増える。スタンド・バイ・ミーの如く線路を歩いていくのだが、これまでの登山路と比べかなり道幅がある。
ここまで早い時間にたどり着くことを勧める。大人数のツアー客が登ってくるからだ。
この道はただ平地を歩くしかなく、木漏れ日と線路の写真を楽しみながら、登りの方が楽しいな。と強く思った。
太鼓岩
景色を一望できる岩。
たしかに綺麗だが、個人的には淀川口から宮之浦を登る途中の名も無き展望台の方が断然きれいだった。
知名度抜きで五感で感じた時の感動を大事にしたい。
共感してくれた人には今すぐ登山を始める事を勧めるとともに、ありとあらゆる非日常体験ができることを約束しよう。
白谷雲水峡
随分昔にインスタで見て来てみたいと思った場所がここだった。
岩と自然に囲まれる美しい渓谷をインスタで見た時からずっと来たいと思っていた。
昨晩出会ったmさんの奥さんが100名山という他人の主観で決められた山ではなく、自分が写真を見ていきたいと思った山に登ると言っていて、僕もオススメではなく、自分で行きたいと思った場所に行きたいと思った。

無事11:00前のバスに乗ることが出来、宮之浦に戻ることが出来た。
永田岳にてご来光を見れなかったことは大きな心残りなので、また必ず来ようと思った。
楽しみを残しておくことは、旅の楽しみ方のひとつであり、余裕を持ってその瞬間を楽しめることに繋がるのではないだろうか。
【続く】