ノウハウ

長期ツーリングにおけるパッキング方法の検討【パニアバッグ】

「パッキング」

これは自転車旅人にとって永遠の課題であり、その旅の目的や、その人の重視する項目によって無限の方法があると思う。

しかし、何度も旅を経験している人ならば、譲れない項目であり、方法がすでに確立しているパッキングもあると思う。

今回は僕の確立した方法について、「パニアバッグ」と呼ばれる、オルトリーブ社などから発売しているひとつ20L前後の筒状のバッグを主軸としたパッキング方法について説明していきたいと思う。

今回説明する基本的パッキングの形態

フロントバッグ=貴重品

パッキングにおいて最もアクセスが容易な部分は間違いなくフロントバッグである。走行しながらもいじることができるし、自転車から離れる時はこのフロントバッグ一つ持ってしまえば貴重品を全て運ぶことが出来る。

【フロントバッグ】
・一眼レフ・スマホ・財布・モバイルバッテリー・カメラバッテリー・USBケーブル・USBポート
フロントバッグには貴重品や特に高頻度で使うもの

一眼レフ

一眼レフは基本的に背中にたすき掛けにしているが、移動中は左右に揺れて気持ちが悪い。特にレンズが重い場合は揺れが大きくなる。雨の時や走りに集中したい時はフロントバッグに入れるようにしている。

充電機材

USBケーブルやUSBポートは、走行中スマホのバッテリーが切れた時に即充電できたり、マクドナルドなど充電可能なスペースで休憩した時その場で最低限充電できるようにするために数本持ち運んでいる。

休憩時写真を整理するためにSDカードリーダーや予備SDカードも持ち運んでいる。

充電機材。バッテリーが大きな課題である旅において、USBコンセントを常に持ち歩くと役立つ時が多い。

娯楽

あとは、読み進めている文庫本もフロントバッグに入れておくことで隙間時間に読むことができる。

<フロントバッグまとめ>

フロントバッグは貴重品と高頻度で使うものがベストだと思う。

ただし、フロントバッグは最も重要視したいバッグでありながら、・小さいものが多い・防水がない・フロントホイールと干渉するなど、課題が盛りだくさんだ。

このフロントバッグの検討についても記事にしたいと思う。

左右パニアバッグの差別化

パニアバッグの右と左を意識した方が楽だと思う。

というのも、国内は左側走行で自転車乗りは皆左側に降りる癖がついていると思う。そんなとき、取り出したいものが右側のパニアバッグに入っていると、遠いし、立てかけた壁に押されてものが取り出しにくいということがよくある。

なので僕は「走行中比較的取り出す頻度が高いものは左パニア・頻度が低いものは右パニア」にパッキングするようにしている

左パニアバッグ=洋服・料理・食料

高頻度で取り出す訳では無いが、温泉では洋服・昼に自炊する時はクッカーなど、一日一回取り出す程度のものは左パニアに入れるようにしている。

【左パニア】
・洋服・雨具・エチケットセット・充電機材・ボディウォッシュ
左パニアは低頻度でも走行中も取り出す可能性があるもの。

洋服

洋服は10Lほどの防水バッグにタオルやボディソープなどと一緒にいれることにより、そのバッグひとつ引っ張り出せば温泉に直行できるようにしておくとかなり楽だし、その度に大きくパッキングを崩さなくて済む。

シャンプーやボディソープ・洋服用洗剤なども洋服と同じ袋に入れてしまうことで温泉に行く時この袋1つ引っ張り出せば即浴槽にドボンすることが出来る

シャンプーやボディソープは百均にもある小型容器に移すことを勧める。服用洗剤は粉の方が軽い

また、使用した服は洗濯ネットに入れていくと、ランドリーに行った際まとめて選択することが出来、靴下を忘れるなどの事態を防ぐことが出来るのでおすすめ。

クッカー

十徳ナイフやバーナー・橋やフォークなど、料理道具は全てクッカーに収納している。円柱状のクッカーは登山などで使用するOD缶のガスを無駄なく収納することが出来るためおすすめ。

料理セットはクッカー中に収納。

僕の場合国内旅において昼飯に自炊をすることはそこまで頻度がないので、クッカーセットは服の下に入れるようにしている。

エチケットセット

歯ブラシや髭剃り、日焼け止めなどはひとかたまりにしている。コンタクトレンズを使用している人はひとまとめにすると朝の準備が簡単に済む。

夏の野宿において蚊は点滴とも言える。虫除けや、痒み止めを持参することを勧める。

エチケットセット。朝出発準備にて必要なことが多い

充電機材

フロントバッグにも一部最小限の充電器剤が入っているが、こちらは長時間かけて充分充電するための充電機材。USBポートが多くしておかないと、一晩で全ての機材の充電をフルにできないなんてことも起きてしまう。

充電機材。4口のUSBコンセントや、延長ケーブル、USBケーブルを多数入れてある。

特におすすめはコンセントを多数搭載した延長ケーブル。ポートの多いUSBコンセントは、「差込口の体積が大きい」という欠点がある。

せっかく充電できる場所を見つけたのに、USBコンセントがコンセント口に収まらず充電できないなんて事態が発生することが割とある。

百均にも売っているので強く購入を勧める。

延長ケーブル。いかなる場所でも充電可能な他、タコ足配線をしやすい、差し込み口が地面に着くため充電中に外れてしまうことがないなど、メリットはかなり多い。

右パニアバッグ=宿泊・メカトラ・頻度少

右パニアは最もアクセスが悪い場所である。自転車を挟んで反対側の、パニアの奥底に沈んでいる輪行袋などを取り出したい時は中身を全て取り出さなくてはならず非常にめんどくさい。

なので、テントやマット・焚き火道具など、基本的に装備を全て外す野営時のみしか使わないものがバッグ上部に。

輪行袋・怪我対応セット・予備ワイヤー等滅多に使わないものが底に埋まっている。

【右パニア】
・テント・シュラフ・焚き火道具・調味料・ヘッドライト・ランタン・輪行袋
右パニアは宿泊のみでの使用や、ほぼ使用しないもの。

キャリア上=よく取り出すもの・空きスペース

パニアバッグの上部はフロントバッグの次にアクセスしやすい場所。

なので、ウインドブレーカーや防寒着・三脚など、体積はかさばるけれどよくアクセスしたいものをパッキングするようにしている。

あとはマットなど、容量的に収まらないものが外出しにして括りつけてある。

【キャリア上】
・ウィンドブレーカー・長ズボン・三脚・マット・サングラス
キャリア上は準高頻度で取り出すもの。

バックパック

荷物が少ない人ならばマットやテントなど、パニアバッグに収まりにくいものを荷物紐でくくるだけでもいいと思うが、個人的にはバックパックに入れることをオススメする。

バッグパックがあるだけで、バッグひとつで移動可能になり、輪行で手が開けることが出来る。走行中もアクセスしやすい多彩な収納ポケットに高頻度で出すものを入れておけば簡単に取り出すことが出来、仕分けもできてしまう。

その魅力についても別記事で紹介して行きたいと思っている。

空きスペース

空きスペースを作っておくことはかなり大切。

コンビニで補給食を買い足した時や夕食の買い出しをした時。「しまいたいのにしまえない」なんてことが発生してしまうと、スペースのせいで食べたいものが買えなかったり、最悪ビニール袋をハンドルから提げた所謂「おばちゃん運転」で食材を運ばなければならない。

大抵のものは即積載可能にしておくことも、無駄な時間削減に繋がるパッキングノウハウのひとつでは無いだろうか。

ボトルケージ=水・ジュース・パンク修理

ボトルケージは最もアクセスしやすい場所のひとつ。大体の自転車はダウンチューブ上とシートチューブ横の二つにボトルケージを設ける場合が多い。

ダウンチューブ下はボトルケージ搭載用のダボ穴があいている自転車は少ないが、エリート社などからダボ穴を増設するためのバンドも販売しており、それにて増やすことも出来る。

【ボトルケージ】
・ダウンチューブ上=水 ・シートチューブ横=ジュース ・ダウンチューブ下=パンク修理キット
Panasonicとロゴが入っている部分がダウンチューブ。サドルからペダルに伸びる部分がシートチューブ

水は絶対に外せないし、日がでている間中自転車に乗っていると、水以外の飲み物くらい飲みたくなる。味変が必要だ。

そんなとき、乗車しながら手に取れる位置にジュースが入っているだけでかなり楽になる。

容器=1Lポカリペットボトル

水分の容器だが、旅においてはコンビニに販売している900mlのポカリスエットのボトルがおすすめ。

薄くてにぎりやすいので飲みやすく、何よりロードバイク用のボトルケージにジャストフィットする。

レースで使うようなボトルでいいじゃないかと、僕も昔は思っていたが、水以外のものを入れるとかびやすくなるし、洗うのもめんどくさい。

しかしペットボトルならば汚くなったらまたポカリをコンビニで買えば良いだけで、スポーツドリンクを買ったついでに容器も手に入ると考えたらお得感は二倍になるだろう。

さらに、百均に引っ張れば飲めるようになるボトルキャップが二個入りで購入できる。これは本当に便利なので購入の価値アリだ。

フロントフォーク=充電・エチケット・食材

ここはフロントフォークバッグをもっている人向けのおまけ。

基本的にアクセスの良さを重要視することでパッキングの方法を確立しているが、フロントフォークへの積載は個人的にはかなりおすすめ。

商品数が少なくあまり持っている人も多くないと感じるが、フロントフォークに積載が出来れば

・走行中でも荷物の出し入れが容易

・前後の重量バランスが向上

特に二つ目に関してはかなり重要で、自転車旅におけるパッキングはつい後ろに積載し、前がフロントバッグのみで異常に軽くなりがち。

これだけ重心が後ろによってしまうと、自転車を立てかけた時に倒れやすいし、坂を昇る労力も大きくなる。

楽天で安いフロントフォークバッグも発売されているので購入を勧める。(僕のこのクロモリはカンチブレーキという横にとび出た形状をしたブレーキであるため、フォークバッグと干渉してしまい付けられなかった。)

フロントフォークに積載するだけで、前後の重量バランスが向上する

ちなみに中身だが、海外を旅している頃は左側に充電系やエチケットセットなど、割と高頻度で使う準貴重品。右側に食材や料理系をパッキングしていた。

長期のツーリングにおいて空き容量があることはデメリットにはならない。

フロントフォークバッグとパニアバッグに荷物を詰め、バックパックは空。という状態でもいいのでは無いだろうか。

まとめ

  • フロントバッグ:貴重品
  • 右パニア:宿泊装備・メカトラ用装備・使用頻度が少ないもの
  • 左パニア:洋服・料理道具・食料
  • キャリア上:三脚・防寒着・空きスペース・補給食
  • フロントフォークバッグ(もしあるならば)

あくまでこのパッキング方法は僕の一例です。これを参考に、より快適に時間を無駄にせず旅をする工夫をしてみてはいかがでしょうか

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