
学部四年・休学一年・院二年を経験した大学7年生が部内ヒルクライムレースに参加してきました。
ステージは信州大のお膝元「美ヶ原」
教養講義を受講でき、一年生は全学部集合する松本キャンパスからほんの10分程度で麓の浅間温泉にたどり着くことから、所属するサイクリング部では毎年この山でレースを行う。
「美ヶ原なんてチャリで登れるの!?」
と思う一般人の価値観をもった新入部員たちを、どんな所でもチャリで行き野宿をしたくなるというチャリ部思考に洗脳する第一歩でもある。
著者はこの部活の
「登れるか不安?ならとりあえず登ってみればいいよ♪」
という理解に苦しむ挑戦スタイルが最高に気に入っている。
準備
「ただロードバイクで登るだけなんて、いつでも出来るしつまんなくね?」
という好奇心旺盛な思考を持ち合わせている著者が今回用いるマシーンはこれだ

ママチャリである。
シティサイクルという使用場所を限定するかのような名前がつけられているマシーンを、力だけで対超級山岳の登坂マシーンにする。
最高に発想が天才だと思う。
脳筋とは鍛錬された筋肉は思考能力を伴うという意味をもつ単語である。
知らなかった方は、今この場で覚えることで非常に有益な記事だと理解していただけるであろう。
話を元に戻す。後輩Uちゃんにお借りしたこのママチャリを少しだけ自分好みにお手入れさせていただき、戦艦上田丸を美ヶ原Editionに改造していく。


ペダルはフラットペダルのままで登るかかなり悩んだ点だが、不足するギア比と街乗り用のプラスチックペダルを掛け合わせるとペダルをぶっ壊す可能性が十分にあったので、自分のペダルにすることにした。
体調管理についてだが、朝5:30就寝。7:30起床。2時間睡眠。頭痛。アサリ味噌汁とヘパリーゼをガン積みドーピングで臨む。
最高のコンディションだZe☆
美ヶ原ヒルクライムレース
本番。
山頂で無駄な待ち時間を省くため、試走により実力をかんがみて遅い順に出走することでのだが、ママチャリの出走は最終組。
企画運営の後輩くん、僕が乗るマシーンのこと忘れているとしか思えなかった。

ママチャリ美ヶ原の登り方
ここからは美ヶ原を2度ママチャリで登った経験をもつ一流ママチャリストから、1200mの標高をママチャリで登る方法を教えていこうと思う。
ダンシング
いわゆる立ち漕ぎの事なのだが、基本ダンシングがメインとなる。
理由はママチャリはギア比(最大のギアと最小のギアの差。大きいほど広い速度域に対応出来る)が小さい上、最も軽いギアでもかなり重いため。
少なくとも著者の脚力では小さいギアでも平均勾配6%の坂を重さ20kgのママチャリでサドルに座りながら踏み続けることは出来ない。
よってより力が入るダンシングで踏み続けることになる。

シッティング
サドルに座ったままペダルを踏む、いわゆる通常姿勢。ただし美ヶ原登坂においてはあまり使えない。著者はシッティングの方が得意なのでつらい。
斜度がない時もはや休憩代わりに使用していた。ちなみに体感斜度3.4%ならばママチャリの重さとギア比でもシッティング可能だった。

TTポジション
最近プロのロードレースで安全面から禁止されたやつ。ハンドルに肘を乗せて頭を前屈みにすることで空気抵抗を減らすことが出来る。
ママチャリはロードバイクに比べてハンドルが高いため(下げることも可能だが、工具を持っていないことが多い)、TTポジションでもロードバイクの通常ポジション程度の空気抵抗削減しか期待できない

この三種類を駆使して、スタミナと筋力を捻り出して登る。なんだかんだ最後は根性。しんどすぎた

結果
- タイム:1h33m47s
- 順位:27人中6位
正直一時間半を切りたかったので悔しさは残った。とはいえ、全力だったし今の脚力では到底不可能だと感じた。
一応ままちゃりの部内歴代最速タイムは出すことが出来たので、後輩たちには奮ってこの記録に挑戦していただきたい

個人的にびっくりしたのはワット数。
簡単に言えば脚力のことなのだが、重さがママチャリと近いと思ったので、乗車した自転車を世界一周で使用したそらに指定したところ、推定293Wらしい。
推定なのでなんとも言えないが、この数字は未だロードバイクで走っていても出したことがない。
一時間半300wでレンチンすれば、いかなる食材も熱々に干からびさせることができる。人間電子レンジとして認識して頂きたい。
下山
ママチャリの消しゴムブレーキは60km/hも出した状態で使えばたちまちやけついてしまう。自分のチャリなら構わないが、可愛い後輩から借りているとなるとそうもいかないので、車に乗せていただいた。
甘え。
おまけ
愉快な部活の後輩たちを紹介する。



最後に、部内歴代最速ママチャリをお貸しいただいた後輩のUちゃん、ありがとうございました。
僕が卒業した後もまだ見ぬ後輩たちがママチャリでこのえげつない山に挑戦してくれると幸いです。