11/7
Cuzco→Puno→Lapaz
8km
明け方3時くらいだろうか。トイレに行こうとしたその時。悲劇に気づいた。
盗まれないよう抱えていた貴重品フロントバッグがひっくり返っていた。
そして。
”カメラと財布はなくなっていた。”
夢かと思った。
貴重品を守ることには自信があったから。
常に意識して警戒して、人にも聞き、守る方法を学び身につけてきたから。
それがまさかじぶんの寝相にやられた。
バスは盗まれやすいと有名な場所。
何故この場所でこんなことが起きたのか。
現実を信じられなかった。
とはいえ、盗んだ人は考えられる。
当然後ろか横の人だろう。
じっとしていても見つからない。
そして相手も犯罪者。こちらも犯罪まがいのことをしないと見つからないも考え、寝ている間にバッグを漁った。
しかし、起きてしまった。
当然何やってんだ!と、止められたので仕方ないし事情説明。
ここで英語だったらことを大きくしないで住んだのだろう。
ろくに話せないスペイン語。
翻訳とジェシュチャーを頼りになんとか伝えている間に、その部屋にいた全員が起きてしまった。
これではもうこっそり盗み返すことは出来ない。
同じ1階に乗っていたのは7人。
その中の女性三人が協力してくれた。
手荷物検査だ。
全員のバッグと全身をくまなくあさる。
しかし見つからない
当然犯人は見つからないように荷物に盗んだ僕の貴重品を移動させるはずだ。
その裏を読みたかったが、どうしても見つからない。
犯人と思われる男が誇らしげに、全身チェックしろ!と言ってくる様が腹立たしくてしょうがない。
と、ポケットの奥底にあった折りたたみ財布を発見した。
僕の財布は折りたたみ財布
ついに見つけた!!!と、叫んだが、当然俺は違う!と、取っ組み合いになる。
挙句盗み返すことは出来なかったし、なんならその財布はそいつのものだった。
今落ち着いているから言うが、こんなことをするのだって普通じゃない。
現地の人たちにこの話をすると、
殺されなくてよかったね。
と言われる。
泥棒をするためにバスに乗る人すらいるらしい。そして泥棒をする人は時にナイフを持っている。平気で殺してくるらしい。
つい数年前もスマホを取り返そうとした大学生がナイフで刺殺されたらしい。
我ながら、こんなことして良く命あったな。と思う。
そこまでしても見つからなかった。
完全に犯人の手腕を褒め称えることしか出来ず悔しさしかない
一時休憩で降りる時に運転手さんに全員の手荷物を検査することを頼もうとしたが、、適当に受け流されてしまった。
まじで海外の対応はこんなもん。
そして最悪なことに、これは一時休憩ではなかった。乗り換え。
ほかの客はPunoまでなのでみなさよなら
こうして完全に財布とカメラは消息をたったのである
僕は防犯面の意識は問題なかった
僕はやれる事はやった。
だが盗まれた。もうどうしようもない現実にただただ絶望した
協力してくれた女性二人がカメラの足しにもならないが20sずつ、、計40s下さった
20sは一般的なホテルに一泊できる値段。
こんな大金をくれるなんて、ほんとに、ペルー人が皆悪い訳では無い。
ただゴミ野郎が僅かに居るだけなんだと、自分に言い聞かせた。
即クレカは停止した。
電話でしかとめられない上に、乗り換えで時間が無いのにいちいちノロノロと確認してくる楽天カードのスタッフには本気でイライラした。
その後のラパス行きのバスでは完全に死んでいた。頭の中が真っ白になった気分。
バスからの振動だけがやけに感じたことを覚えている。
そして入国カードを渡され、書いていた時にさらなる悲劇を宣告された。
このペルー→ボリビア国境は二つある
その中の一つデサグアデーロでの国境越えは日本人・韓国人には禁忌とされている
国境管理国の権限を使い、なんの言いがかりもなく適当な文句をつけて所持品を強奪するからだ。
当然取り返すことなんてできない。
先程のような適当な対応をすれば、入国できないどころか、牢屋にぶち込まれかねない。
Tourperuのバス会社で予約した時点でもう一つのチチカカ湖経由かと思っていたのだが、2つのルートがあったらしい。
添乗員に消して訂正された時にはまた頭の中が真っ白になった
なぜ地獄は何度も連続でやってくるのか。
考えても始まらない疑問に悩まされた
そして所持金のソルを全てボリビアーノに換金し、国境越え
盗まれる時は別部屋に連れていかれるらしい。もし連れていかれて長時間監禁されたら気づかれるように、同じバスに乗っていた人達に話しまくった。
あくまで平静を装いながら。
心は完全に限界だった。
財布。金。メインのクレカ2枚。カメラ。そしてスマホに送っていなかったクスコでの思い出の写真も全て消えていた。
追い打ちをかけるように再度盗難&監禁の可能性。
皆さんならどうしますか?
なってみないと分かりませんよね。
もし居なくなったら気にして!と、ほかのバックパッカーたちにお願いするも、は?と言われる有様だった。
何やら無線でコンタクトを撮る係員たち。
かもが来たぞ。と、コンタクトをとっているようにしか見えない
係員に話しかけられた時は、その言葉を理解し、言葉も話せないと舐められないようにした。
自然な対応をしつつ、凛とする。
真っ直ぐな目線と背筋。強い旅人を全力で演じた。
その意識のまま出国。そして入国の手続き。
スペイン語の質問にも完璧に答え、無事スタンプを押された時は心が本当にほっとした。
表には出せないけど
そのあともまだ問題が
手荷物検査だ
ここで書いた入国書類に不備があったのか、何度も聞かれる。
ここで隠して盗み取られることもあるそうなので目は離さない。
かつ、全荷物は二つと書いたので、自転車に装備した5つのサイドバッグ+リュックだと説明した。
そしてこのリュックを確かめさせるよう仕向けた訳だが、このリュックはバックパッカーとちがい、入っているのは貴重品ではない
テントとマット。それに水のみ。
シンプルにでかいものが入っているだけで、検査もやっても何も出てこないので諦められたように終わった。
ばかめ!!
貴重品はフロントバッグの中だぞ!!
一応予備で持っていた金も全て画したが、適当な手荷物検査のおかげで問題なく通過した。
そしてついに完璧に入国に成功
この先数年分の寿命を削るような時間が過ぎたからか、ラパスまでは爆睡だった
ラパスに着いたのは夕方。
EntelへSiMの購入にいく
待ち時間が2時間を超えていたので、その間に警察署に被害届を出しに行った。
警察署が地図で調べた場所になく、人に聞いてたらいまわしにされ、やっと見つけてたどり着いたのがここ
Fuerza Especial de Lucha Contra el Crimen
宿泊 • 警察
ge0://0ONXA2N5sw/Fuerza_Especial_de_Lucha_Contra_el_Crimen
メンタルもボロボロのせいか、全く通じないスペイン語。
なのにお兄さんとおじさん3人係で話してくれた。
お兄さんがドラゴンボールの動画見てたのもなんだかほっとした
盗難届の現本1枚しかなく、僕に印刷に行かせるのはさすが途上国だと思った
あまりに時間がかかったので、慌ててentelへ戻ったが、順番はすぎてしまっていた
しかし警察のお姉さんが新しい番号を発行してくれて、他の人に見えないように渡してくれた。
即呼ばれた
本当に、いい人と悪い人がいるだけ。
この国の人全員を嫌いになってはいけない
盗まれたらいい人が支えてくれる。そんな国だ。
その後お金下ろしに行った。
すると
お金がおりない
カード使用不可
の文字だけでて、カードが返ってくる。
どこの銀行でも。絶望でしかなかった。
旅諦めざるを得ないかな
もっと言えば、
死んだな。
少なめに言ってそう思った